英語表現力のレベルに関して
このサイトを訪れる人は、指導者か学習者かを問わず、少なからず英語表現に関心がある人でしょう。レベルに関して言うと、初級者、中級者、上級者の決まった定義はなく、往々にして恣意的なものであるためにグレーゾーンが存在します。
とりあえずこのサイトでは、
初級者は、ビギナーではないが、英文法と語彙に関して少し不安がある人
中級者は、基本的な英文法の知識は一通りはあるが、その知識を英文読解や英語表現に活かしきれていない人
上級者は、英文法の知識を英文読解や英語表現にある程度の自信を持ってはいるが、まだ不十分なところがありエキスパートと呼べるほどまではいかない人
と定義します。
トップページのタイトルで「初級者から上級者のあなたへ」と記述しましたが、学習者は“初級者から中級者”、指導者は“中級者から上級者”を想定しています。本人が上級者以上の指導者であったとしても、効果的に教えることができるかどうかは別ものです。
英語表現に関心がある理由
英語表現力を高めることに関心を寄せる理由は様々ですが、主に次の2つに大別できます。
1 英語の学習者で、英作文を勉強する必要がある人
2 英語の指導者で、英作文を教える必要がある人
1のケースは、受験で英作文が課される(主に)学生と、英語をやり直そうと勉強している社会人に分かれます。
2のケースは、英語指導経験が豊かでも、効果的な英作文指導のやり方に悩んでいる、あるいは、さらに効果的な指導法を追求している人と、英語指導経験が比較的浅いか、ある程度の指導経験があっても、生徒が書く英文の評価、特に細かい点に関する判断に自信がない人に分かれます。
英語表現力、つまり、英作文の力をつけたいと思っても、正確な英文法の知識に基づいて自然な英語で表現するのは日本人にとって 結構ハードルが高く、特に独学の場合はなおさら大変です。
1つのことを習得するのにも人それぞれのやり方があります。 英語表現力の習得も例外ではありません。ChatGPTを活用するやり方がベストというわけではありませんが、上手く活用すれば、
英語表現力を身につけるのにChatGPTは大いに役立ちます。
ChatGPTは無料で利用でき、アカウントを取得するのに面倒な手続きは不要ですが、具体的にChatGPTをどのように活用するかは頭を悩ませるところです。
拙著「英語表現力、ChatGPTを活用してさらなる高みへ」(アマゾン)で 1つのやり方を提案しましたが、英語表現の授業で有効なChatGPT活用方法があれば、情報提供していただければ幸いです。その際は、電話応対をしておりませんので、〔お問い合わせ〕画面のフォームでのメール送信でお願いします。有効な方法はサイト上で発表したいと思います。
英語表現を通じて学べること
英語表現を学ぶ過程で、語彙、英文法、用法など、様々なことを学ぶことができます。
例えば、
「生活費を節約する」
という日本語の英訳を取り上げましょう。
DeepLとグーグルは、
save (money) on living expenses
と翻訳しています。
その他、economize、practice economy, cut down on living expenses、reduce living expensesなど、いくつかの表現が考えられるでしょう。
今、「生活費」に絞って話すと、living expensesという表現は基本的な英文法の知識が元になっています。
英文法の基本的知識として、ingの用法があります。
1 a sleeping baby
2 a sleeping car
1のingは現在分詞「~している」という用法で、「眠っている赤ちゃん」という意味になります。
2のingは動名詞「~するための」という用法で、「眠るための車両」、つまり、「寝台車」という意味になります。
この2つの用法の違いは、英文法の授業では必ず触れることです。
このうち2の知識(動名詞のing)があれば、「生活費」は「生活するための費用」なので、
one's living expenses
と英訳できます。
同様に、「生活環境」なら「生活するための環境」なので、
the(one's) living environment
と英訳できます。
もう一つ例を挙げると、英語に、
breath-taking「(息をのむほど)みごとな、すばらしい」
earth-shaking「(世界を揺るがすほど)極めて重大な」
という表現があります。
これも、
English-speaking countries「英語を話す国」
の応用と考えればよくわかります。
「英語を話す」という意味から、
A-~ing
で、「A(名詞)を~する」という関係にあるとわかります。英文法の用語を使えば、“目的語と動詞の関係”にあることになります。
この知識を使えば、
breath-takingは「息をのむ」が元にある
earth-shakingは「世界を揺るがすほど」が元にある
とわかります。
さらに、
the stress-producing situation
は、「ストレスが生む状況」(ストレスの結果陥った状況)ではなく、「ストレスを生む状況」(ストレスの原因となる状況)だとわかります。
このように、基本的な英文法の知識が英語を表現するときに活かされるのです。