基本的な英訳ができるようになったら、よりナチュラルな英語翻訳を楽しみましょう。
元々の日本語にこだわるのではなく、文脈の流れを意識して、英語圏の国民性を考慮に入れた英訳を心がけることがコツです。
今回、2つの具体例を用意しました。


1つめの具体例
アメリカ人A(女)とアメリカ人B(男)は知り合いです。Aは事件の被害者で、Bは刑事です。
ある事件が発生しましたが、事件を担当しているBは、捜査方針を異にする上司の命令で自分の思い通りに動くことができません。
捜査方針は間違っていると言って、AはBを激しく責めます。
そこでBはAに向かって、

「おいおい、そう睨まないでくれよ」彼は目を丸めて身を反らせた。「下っ端の俺が決めたことじゃない 」


ポイントはBの2つのセリフ「(俺を)睨まないでくれよ」「下っ端の俺が決めたことじゃない」という部分です。

翻訳例


2つめの具体例
アメリカ人A(男)とアメリカ人B(男)は2人とも刑事で、Aが上司(boss)で、BはAが率いるチームの一員です。
Bは敏腕刑事だが、それゆえスタンドプレーが目立ちます。ある事件の捜査でも、Bは一人で犯人と目される人間と対峙しようとしています。そんなBの行動に危うさを感じてボスAはBに向かって言います。
 

「無茶をするな」


直訳しても問題ないと思います。しかし、ここはハリウッド映画に出てきそうな場面を浮かべてこのセリフを英訳するとどうなるでしょうか。ヒントは、アメリカ人が好きなものです。

翻訳例